
発売年 | 2020 年 |
---|---|
ゲームデザイン | トマーシュ・ウフリージュ(Tomáš Uhlíř) |
アート | Petr Boháček クワンチャイ・モリヤ(Kwanchai Moriya) |
プレイ人数 | 1 人 |
対象年齢 | 12 歳以上 |
販売元 | Czech Games Edition ホビージャパン |
定価(税別) | 4,500円 |
外寸 (WxHxD) | 185 x 254 x 58 (mm) |
AI要約
エイリアンの侵略から地球を守るために新兵器を開発するソロプレイ専用のボードゲームです。プレイヤーは地下基地の指揮官となり、エイリアンの母船が地球に到達する前に研究を完了させることを目指します。
ゲームは5つのダイスを振ることから始まり、それぞれのダイスを基地の各マスに配置します。ダイスの配置によって、エネルギーの貯蔵、敵船の迎撃、新兵器の研究などのアクションが行われます。ダイスの出目が大きいほど強力な効果を得られますが、同時に敵船も速く降下してきます。各列に1個ずつダイスを配置するルールがあり、戦略的な配置が求められます。
ゲームの目的は、敵船が地上に到達する前に研究値を最大にすることです。研究値が最大になると、新兵器が完成し、エイリアンの侵略を阻止することができます。全10回のキャンペーンゲームがあり、各回ごとに異なるチャレンジが用意されています。
コンポーネント

ゲームの流れ
準備
プレイエリアとなる各タイル(マザーシップ、上空エリア、都市、基地)を上から順に配置します。
下図では上空エリアと都市の間で左右に分けていますが、実際のプレイではかなり縦長です。

基地タイルは、都市タイルの指示に従って選択・配置します。



研究マーカー(緑)、エネルギー・マーカー(黄)、ダメージ・マーカー(赤)を対応する各トラックのスタート位置に置き、掘削マシンコマを基地タイルの初期位置に配置します。
紫宇宙船をマザーシップタイル上に置き、ゲームの難易度に応じて上空エリアタイルの裏面を使用したり、白宇宙船を増やしたりします。


目的
ゲームの勝利条件は、エイリアンが都市を破壊する前に、研究マーカーを研究トラックの一番上に到達させることです。
逆に、ダメージ・マーカーがダメージ・トラックの一番下に到達するか、マザーシップが都市上空、スカルの表記された段まで降下した場合、プレイヤーの敗北となります。
内容
プレイヤーは勝利するか敗北するまで、以下のフェイズからなるラウンドを繰り返します。
- ダイス・フェイズ
- 部屋フェイズ
- マザーシップ・フェイズ
1. ダイス・フェイズ
5つのダイス(白2つ、灰3つ)を全て振り、1つずつ基地に配置していきます。ただしその際、主に以下の制約があります。
- 既にダイスが置かれているのと同じ縦列に、新たに置くことは出来ない。
- 未掘削エリア(掘削マシンの前方)に置けるのは1つのみ。
(次の部屋フェイズにて、その出目分の掘削が行われる。) - 白ダイスを配置したら、未選択のダイスを全て振り直す。
ダイスの配置を行う度に、上空の宇宙船がその出目分、都市への降下を行います。よって、ダイスの効果に比例して、敗北のリスクも増します。
また、降下先には左右列への移動やマザーシップの降下などの効果を持つ場合があり、該当したら即座に発動されます。
宇宙船が都市に到達した場合、ダメージ・マーカーが1つ進み、宇宙船はマザーシップへ帰還します。
2. 部屋フェイズ
ダイス・フェイズで配置したダイスの効果を発動していきます。人類の反撃です。
各部屋はエネルギーの補充や宇宙船の撃墜、対抗手段の研究などの効果を持ち、その効果量は配置されたダイスの出目によって決まります。効果の解決はどの順番で行ってもよく、配置した順である必要はありません。
また、部屋によってはコストを持つものがあり、その効果を発動するには規定のエネルギーを要します。
ここでエネルギー・マーカーを最上部まで進められれば、プレイヤーの勝利です。
ダイス・フェイズにて掘削のためにダイスを配置していた場合は、その位置まで掘削マシンが進みます。

掘削マシンの後方が掘削済みとなり、次のラウンドからダイスの配置が可能となります。
(難易度によっては、マザーシップの侵攻によって後退させられることもあります。)
掘削が進む(=基地が発展する)ほど、高い効果を得られたり、同じ効果でもコストを抑えられたり、そもそも配置の選択肢が増えたりと、様々なメリットを享受できます。
3. マザーシップ・フェイズ
部屋フェイズで勝利できなかった場合、マザーシップの脅威が迫ってきます。
マザーシップ・タイルが一段降下し、降下先の段にもし何らかの効果が記載されている場合は、その効果が発動します。最終的にはスカルに到達し、プレイヤーの敗北となります。
都市を攻撃して帰還した宇宙船はもちろん、人類が撃墜に成功していてもその後続船が加わり、マザーシップから新たに出撃します。よって、撃墜に終始しているとジリ貧で敗北します。
難易度によっては白宇宙船なども加わっていき、犠牲を余儀なくされていきます。(白宇宙船は撃墜によってゲームから除去されます。)
この時点で敗北していなければ、新たなラウンドとしてダイス・フェイズから開始します。
付加要素
先述の難易度(脅威度レベル)や都市(固有能力を持つ)の変更に加え、青ダイスを用いたロボット・システム(数ラウンドに渡って効果を発動させる)などにより、基本ゲームだけでも何通りもの遊び方が可能です。
キャンペーン


基本の単発ゲームに慣れたら、キャンペーン・モードも用意されています。全4章、約10回のゲームで構成されており、組み合わせによって何度も遊べるようになっています。
シナリオ進行に従って難易度が上がっていくだけでなく、新たなゲーム要素が加わり楽しみの幅が広がっていきます。
(こちらには第1章のコンポーネントを掲載。)
感想
とても面白いソロ・ゲームです。
基本的に出目が大きい方が有利ですが、状況によってそれが蛇足や枷となることもあります。逆に小さな出目も使い方次第で大きな効果があったりと、運とリソース管理という実生活でも求められる要素を楽しむことが出来ます。
映画「インデペンデンス・デイ」やアメコミのような雰囲気も、楽しい気分を後押ししてくれます。
キャンペーンなしでも様々な都市や難易度を組み合わせることでリプレイ性が高められており、加えてキャンペーンの章が進むごとに新たなゲーム要素が追加されていき、徐々に複雑性を楽しめるようになる作りになっていると思います。
そうして加えられていく要素を、プレイヤーによる自由な組み合わせで単発ゲームとして楽しむことも出来るようになっています。
それは、ゲームとして楽しむことはもちろん、レベルデザインやゲームデザインの素養を磨くツールとしても楽しめるのではないかと思われます。
惜しむらくは、2024年9月現在において国内版の入手性が極めて低く、定価ではまず手に入りません。
公式サイト( https://czechgames.com/en/under-falling-skies/ )より説明書がダウンロード可能ですので、海外Amazon等から英語版など(言語依存はほぼありません)を購入するのが現状では一番良さそうです。
(キャンペーン周りの日本語ファイルが生憎リンク切れになっているので、それに関しては頑張って和訳が必要です。)
ボードゲームカフェなどで見つけられたら、ぜひ遊んでみてください。